兵法三十六計とルノルマンカードから読み解く㉖
- 言霊占い師りつか
- 4月7日
- 読了時間: 6分
秘密と知識の奥深さ:兵法三十六計「指桑罵槐」とルノルマンカード26番「本」が示す鑑定アドバイスの考察
今回のテーマは、一見すると全く異なる分野に存在する二つの要素、古代中国の兵法である兵法三十六計の第二十六計「指桑罵槐(しそうばかい)」と、神秘的なルノルマンカードの26番「本」です。これらの共通項を探り、日々の鑑定や人生におけるアドバイスにどのように活かせるのか、深く考察していきましょう。
異なる世界に潜む共通のメッセージ
「指桑罵槐」とは、「桑を指して槐(えんじゅ)を罵る」と読むように、直接相手を批判するのではなく、別のものに例えて遠回しに非難したり、注意を促したりする計略です。一方、ルノルマンカードの「本」は、秘密、知識、学問、専門性、未公開の情報などを象徴します。
一見、戦術と占いという異なる領域に存在するこれら二つですが、深く掘り下げていくと、驚くべき共通点が見えてきます。それは、直接的な表現を避け、奥深くに潜む真意や情報を読み解くことの重要性です。
「指桑罵槐」は、言葉の表面的な意味だけでなく、その裏に隠された意図を読み取る洞察力を必要とします。同様に、ルノルマンカードの「本」は、まだ明らかにされていない情報や秘密を示唆し、その背後にある真実を探る探求心を促します。

鑑定アドバイスへの応用:表面的な事象に隠された本質を見抜く
ルノルマンカード鑑定において「本」のカードが現れた場合、それは単に「知識」や「学習」を意味するだけではありません。周囲のカードとの組み合わせによって、以下のような多層的な解釈が可能になります。
秘密の存在: 恋愛に関する悩みであれば、秘密の恋や相手に隠していることがある可能性を示唆します。仕事であれば、未公開のプロジェクトやライバル企業の策略が潜んでいるかもしれません。
探求の必要性: 問題解決のためには、表面的な情報だけでなく、より深く掘り下げた調査や学習が必要であることを示唆します。
専門知識の重要性: 特定の分野における専門知識やスキルが、現状を打破する鍵となる可能性を示唆します。
情報開示のタイミング: まだ公にすべきではない情報や、時期を見て発表する必要がある計画を示唆します。
ここで「指桑罵槐」の考え方を応用すると、クライアントが語る言葉の表面的な意味だけでなく、その言葉の選び方、声のトーン、表情など、非言語的な情報にも注意を払うことが重要になります。クライアントが直接口に出せないでいる本音や、隠された感情、問題の本質が、たとえ遠回しな表現の中にでも隠されている可能性があるからです。
例えば、仕事の悩みを相談された際に、クライアントが同僚のAさんの仕事ぶりについて不満を述べているとします。しかし、よく話を聞くと、Aさんの行動は、クライアント自身が抱える課題や恐れを映し出している可能性があります。これはまさに「指桑罵槐」の構造であり、Aさんという「桑」を指しながら、実際にはクライアント自身の問題という「槐」を間接的に語っているのです。
我々鑑定者は、表面的な言葉に惑わされることなく、「本」のカードが示す「秘密」や「未公開の情報」という視点から、クライアントの言葉の奥底に潜む真意を丁寧に探っていく必要があります。時には、直接的な質問を避け、例え話や比喩を用いることで、クライアント自身が気づいていない感情や問題の核心に触れることができるかもしれません。
具体的なアドバイス例
以下に、「本」のカードと「指桑罵槐」の考え方を踏まえた具体的な鑑定アドバイス例の私なりの解釈をいくつかご紹介します。
恋愛相談:
カードの組み合わせ: 「本」と「ハート」が 近くに出た場合、「秘密の恋」や「誰にも言えない愛情」を示唆する可能性があります。
クライアントの言葉: 「最近、気になる人がいるんですけど、なかなか進展しなくて…」と話すクライアントに対し、表面的な状況だけでなく、「もしかしたら、相手の方には何か事情があるのかもしれませんね。あるいは、あなた自身がまだ誰にも言えない気持ちを抱えているのかもしれません」といった、より深い視点からの問いかけをすることで、問題の本質に近づけるかもしれません。
仕事相談:
カードの組み合わせ: 「本」と「塔」が 近くに出た場合、「専門知識を活かしてキャリアアップを目指す」という意味合いが強まりますが、同時に「組織内の秘密や権力闘争に巻き込まれる可能性」も示唆します。
クライアントの言葉: 「最近、新しいプロジェクトの話が出ているんですが、なんだか情報が錯綜していて…」と話すクライアントに対し、「表面的な情報だけでなく、プロジェクトの裏側にある目的や、関係者の思惑を探ってみる必要があるかもしれません。あなたの専門知識が、その真相を解明する鍵になる可能性もありますよ」といったアドバイスを送ることで、より建設的な行動を促せるでしょう。
人間関係の相談:
カードの組み合わせ: 「本」と「雲」が 近くに出た場合、「誤解や秘密によって関係が曖昧になっている」可能性を示唆します。
クライアントの言葉: 「最近、友人との間でちょっとした誤解があって…」と話すクライアントに対し、「直接的な言葉で問い詰めるのではなく、相手の状況や気持ちを慮りながら、時間をかけて話し合ってみることが大切かもしれません。もしかしたら、お互いに言葉にはしていない秘密や懸念があるのかもしれません」といった、遠回しなコミュニケーションの重要性を伝えることができます。
深淵なる知識の探求と倫理観
ルノルマンカードの「本」は、知識や情報を得る喜びと同時に、それが秘密や未公開の情報である場合には、倫理的な配慮も必要となることを示唆しています。安易な詮索や暴露は、人間関係を破壊したり、予期せぬトラブルを引き起こす可能性があります。
「指桑罵槐」も同様に、直接的な批判を避ける巧妙な戦術ではありますが、その意図が相手を陥れたり、不当な状況を作り出すためのものであってはなりません。
鑑定者として、私たちは「本」のカードが示す深淵なる知識の探求心を大切にしながらも、常に倫理的な視点を持ち、クライアントの最善の利益のためにその知識を活用する責任があります。表面的な事象に隠された本質を見抜く洞察力と、それを適切に伝えるコミュニケーション能力を磨くことが、より深い鑑定と、クライアントの成長を促すアドバイスへと繋がるでしょう。
上辺だけをあげつらうのではなく、その真意を汲む
兵法三十六計「指桑罵槐」とルノルマンカード26番「本」。一見異なる二つの要素から、表面的な情報に隠された真実を読み解くことの重要性を学べます。鑑定においては、「本」のカードが示す秘密や未公開の情報という視点から、クライアントの言葉の奥底に潜む本音や問題の本質を探り、「指桑罵槐」の考え方を応用して、直接的な表現を避けつつ、核心に触れるアドバイスを心がけることが大切です。
知識は力ですが、その力をどのように使うかが重要です。倫理的な配慮を忘れずに、深淵なる知識の探求を通して、クライアントの人生をより良い方向へと導くことができるよう、私たち鑑定者は常に学び続ける姿勢を持ち続けたいものです。
今回の考察が、皆さんの鑑定や日々の生活において、新たな気づきや視点をもたらす一助となれば幸いです。
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